2026年9月3日

亡くなった親の所得を相続人が申告する準確定申告の必要性と、期限内に済ませる手順
準確定申告とは、亡くなった人のその年の所得を、相続人が代わりに申告する手続きです。
期限は「相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内」です。
親に一定の所得があった場合などに必要になります。
逆に、年金だけで一定額以下なら不要なこともあります。
期限が短いため、早めの確認が肝心です。
親の葬儀を終え、遺品整理にも追われる中で、「準確定申告」という言葉を初めて聞いた。
「これ、やらないといけないの?」。
「4カ月って、もうそんなに時間がない」。
慣れない手続きの名前に、また一つ不安が増える。
そんな気持ちで、検索窓に「準確定申告 とは」と打ち込んでいませんか。
準確定申告は、名前こそ難しそうですが、要は「故人の分の確定申告」です。
必要な人と不要な人がいて、期限は通常の確定申告より短い4カ月です。
この記事では、そもそも申告が必要なのか、誰がどんな手順で行うのかを、現場の実例を交えて整理します。
読み終えるころには、「自分の親のケースはどうすべきか」を落ち着いて判断できるはずです。
【この記事のポイント】
- 準確定申告は、亡くなった人のその年の所得を相続人が代わりに申告する手続き
- 期限は「相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内」と短く、早めの着手が肝心
- 親に事業・不動産・一定の所得があれば必要、年金のみで少額なら不要なこともある
この記事の結論
- 一言で言うと、準確定申告は「故人の分の確定申告」。
- 最も重要なのは、期限が4カ月と短いこと。
- 必要か不要かは所得の内容で決まるので、まず確認する。
準確定申告とは何か、そもそも必要なのか
まずは「準確定申告が何で、自分に関係あるのか」を押さえましょう。
ここが分かれば、次に何をすべきか見えてきます。
下の比較表で、必要・不要のイメージをつかんでください。
| 故人の状況 | 準確定申告 | 補足 |
|---|---|---|
| 個人事業を営んでいた | 原則必要 | 事業所得の申告 |
| 不動産の家賃収入があった | 原則必要 | 不動産所得の申告 |
| 給与以外に一定の所得があった | 必要なことあり | 金額により判断 |
| 年金のみで一定額以下 | 原則不要 | 例外あり要確認 |
| 医療費が高額だった | 還付で得することあり | 申告で戻る場合 |
表のとおり、必要かどうかは故人の所得の中身で変わります。
「うちは関係あるのか」を、まずこの表で当たりをつけてください。
準確定申告の意味と、通常の確定申告との違い
通常の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年分の所得を、翌年の2月から3月に申告します。
一方、準確定申告は、その年の1月1日から亡くなった日までの所得を対象にします。
そして、申告するのは本人ではなく、相続人です。
つまり、「期間が途中まで」で「申告する人が代わる」のが大きな違いです。
国税庁も、年の途中で亡くなった人の所得税は、相続人が準確定申告を行うと案内しています。
名前は難しくても、中身は「故人の分の確定申告を、遺族が代わりにやる」と理解すれば十分です。
準確定申告が必要になる主なケース
準確定申告が必要になるのは、故人に申告すべき所得があった場合です。
代表的なのは、個人事業を営んでいた、アパートなどの家賃収入があった、といったケースです。
また、給与や年金以外にまとまった所得があった場合も対象になり得ます。
実は、逆のパターンもあります。
医療費が高額だった、源泉徴収で税を払いすぎていた、といった場合です。
このときは準確定申告をすることで、税金が還付される(戻ってくる)ことがあります。
「やらなきゃ損」なケースもある、というわけです。
申告が不要なことも多い
一方で、準確定申告が不要なケースも少なくありません。
故人の収入が年金のみで、その金額が一定額以下の場合などです。
公的年金等の収入が一定額以下で、他に所得がなければ、申告義務が生じないことがあります。
正直なところ、「親は年金暮らしだったから」と、この段階で不要と分かる方も多いです。
ただし、年金以外に少しでも所得があった場合や、還付を受けたい場合は話が変わります。
判断に迷うなら、税務署か税理士に一度確認するのが確実です。
準確定申告を4カ月の期限内に済ませる手順
必要だと分かったら、次は「どう進めるか」です。
期限が短いので、段取りが大切になります。
ここでは手順と、現場で見てきた注意点をお伝えします。
手順1:期限と申告先を確認する
まず押さえるべきは期限です。
準確定申告の期限は、「相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内」です。
通常の確定申告のように「翌年の3月まで」ではありません。
亡くなってから4カ月、というのが目安です。
申告先は、原則として故人の住所地を管轄する税務署です。
相続人の住所地ではない点に注意してください。
まずは「いつまでに」「どこへ」を確認するところから始めます。
葬儀や四十九日、遺品整理と重なると、4カ月はあっという間に過ぎます。
だからこそ、亡くなって落ち着いた頃に、一度カレンダーに期限を書き込んでおくと安心です。
「まだ先」と思っていると、書類集めの時間が足りなくなりがちです。
手順2:必要書類を集める
次に、申告に必要な書類を集めます。
故人の源泉徴収票、年金の支払通知書、事業や不動産の帳簿、生命保険料や医療費の領収書などです。
これらは遺品整理の過程で見つかることが多い書類です。
よくあるのが、片付けを急ぐあまり、大事な書類まで一緒に処分してしまう失敗です。
実際にあった例です。
名古屋市守山区でのご依頼で、「保険や税金の書類が見つからない」とご遺族が困っておられました。
作業中に古い封筒の束から源泉徴収票が出てきて、「これがないと申告できないところだった」とほっとされていました。
遺品整理では、書類だけは先に分けておくのが鉄則です。
手順3:相続人全員で申告し、専門家も活用する
準確定申告は、原則として相続人全員が連署して行います。
相続人が複数いる場合は、代表者がまとめて手続きすることも多いです。
誰がどう進めるか、早めに話し合っておくとスムーズです。
そして、無理に一人で抱え込まないことも大切です。
事業所得や不動産所得が絡むと、計算は一気に複雑になります。
ケースによりますが、こうした場合は税理士に依頼したほうが、結果的に安心で早いことが多いです。
当社の現場でも、「まず税理士に相談してみます」と決めた方は、その後の表情が明らかに軽くなっていました。
遺品整理と税の手続きは、同じ時期に重なって負担が大きくなりがちです。
片付けの手が回らない、書類の在りかも分からない、という時は、遺品整理の見積もりだけでも取ってみてください。
書類の捜索や仕分けを含めて相談できると、手続き全体が進めやすくなります。
期限を過ぎてしまった場合の考え方
「気づいたら4カ月を過ぎていた」というご相談も、実は少なくありません。
期限を過ぎても、申告そのものができなくなるわけではありません。
ただし、納めるべき税金があった場合は、加算税や延滞税が上乗せされることがあります。
逆に、還付を受けるだけのケースなら、慌てすぎなくてよい場合もあります。
いずれにせよ、過ぎたと気づいた時点で、できるだけ早く税務署か税理士に相談するのが得策です。
放置して不安を抱え続けるより、一度専門家に状況を話してしまうほうが、気持ちも軽くなります。
準確定申告に関するよくある質問
Q1. 準確定申告は必ずしないといけませんか?
- いいえ、故人の所得の内容によっては不要なこともあります。
- 事業・不動産・一定の所得があれば、原則必要です。
- 年金のみで一定額以下なら、不要な場合もあります。
Q2. 期限はいつまでですか?
- 相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内です。
- 通常の確定申告より期限が短いので注意が必要です。
- 過ぎると加算税などがかかる場合があります。
Q3. 誰が申告するのですか?
- 亡くなった人に代わり、相続人が申告します。
- 相続人が複数なら、原則全員が連署して行います。
- 代表者がまとめて手続きすることも可能です。
Q4. どこの税務署に出せばいいですか?
- 原則として、故人の住所地を管轄する税務署です。
- 相続人自身の住所地ではない点に注意してください。
- 不明なら、最寄りの税務署に電話で確認できます。
Q5. 申告すると税金が戻ることもありますか?
- はい、払いすぎた税金が還付されることがあります。
- 医療費が高額だった、源泉徴収が多かった場合などです。
- 該当しそうなら、申告して確認する価値があります。
Q6. 必要な書類は何ですか?
- 源泉徴収票、年金通知書、帳簿、各種領収書などです。
- 遺品整理中に見つかることが多い書類です。
- 誤って処分しないよう、書類は先に分けておきましょう。
Q7. 自分で申告できますか、税理士に頼むべきですか?
- 年金のみなど単純なケースは、自分でも対応できます。
- 事業・不動産が絡むと複雑なため、税理士が安心です。
- 迷う時は、まず税務署か税理士に相談してください。
この記事のまとめ
準確定申告は、亡くなった親のその年の所得を、相続人が代わりに申告する手続きです。
必要かどうかは故人の所得の中身で決まり、年金のみなら不要なこともあります。
最大の注意点は、期限が「相続開始を知った日の翌日から4カ月以内」と短いことです。
書類を早めに集め、複雑なケースは税理士に相談しながら、余裕を持って進めましょう。
この記事のまとめ:要点3つ
- 準確定申告は故人の所得を相続人が代わりに申告する手続きで、期限は4カ月以内
- 必要か不要かは所得の内容次第で、年金のみ少額なら不要、事業・不動産があれば原則必要
- 源泉徴収票などの書類は遺品整理中に処分せず先に分け、複雑なら税理士に相談する
遺品整理と税の手続きが重なって手が回らないなら、まずは片付けと書類仕分けの見積もりだけでも相談してみてください。
書類が整理できれば、申告の準備もぐっと進めやすくなります。
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