今年もこの季節がやってきてしまいました。

タイトルを見るだけだと、夏がやってきたなぁ!と感じられる方も多いと思いますが、我々遺品整理・特殊清掃を仕事としている業界では、毎年、5月中旬から10月後半まで特殊清掃のご相談・ご依頼が急増してきます。

なぜ多くなるのか?

年間の死亡者数と孤立死者数の統計を含めて説明させていただきます。

① 全国の死亡者数

厚生労働省の「人口動態統計月報年計(概数)」によると、2025年(令和7年)の死亡者数は158万9,489人でした。

前年(160万5,378人)からは約1.6万人減少したものの、依然として年間約160万人が亡くなる時代となっています。

  • 死亡者数:1,589,489人
  • 出生数:671,236人
  • 自然減(死亡-出生):約91万8千人

② 孤立死・孤独死者数

全国で統一された「孤独死」の法的定義はありませんが、現在もっとも引用されるのは警察庁の統計です。

警察庁が公表した最新資料では、令和6年(2024年)中に警察が取り扱った死体20万4,184体のうち、自宅で死亡した一人暮らしの人は7万6,020人(37.2%)とされています。

この「7万6,020人」が、現在一般的に「全国の孤独死(孤立死)規模」として報道や研究で用いられる数字となります。

年齢構成で見ると、65歳以上:約5万8,044人 となり、全体の約76%が高齢者となっております。

③ 「孤立死」の推計

内閣府はさらに、「一人暮らしで自宅死亡した人」のうち、

  • 死後8日以上経過して発見
  • 生前に社会的孤立状態にあったと推認される

ケースを「孤立死」と推計しています。

最新の推計では、約2万2千人(22,222人)がこれに該当するとされています。

なぜ、夏場に発見されやすいのか?

年間死亡者数の中で、夏場の孤立死・特殊清掃のご相談はとても多くなりますが、厚生労働省の人口動態統計では、全国の死亡者数は例年、1月・2月・12月が多くなっておりま。

しかしながら、冬場の寒い時期には、居室内でお亡くなりになられていても、発見が遅くなってしまう現実があります。

離れて暮らされている家族であっても、頻繁に連絡を取り合っている世帯では発見が早い傾向ですが、連絡を取り合っていない世帯だと、近隣との関りが希薄だと発見までに日数が経過してしまいます。

そして、暖かくなり、気温が夏日になると、死後3日で腐敗が始まります。

その後、ご遺体が腐敗し始め、虫や臭いが出てきます。

孤立死(居室内死亡)を無くすことは不可能…

孤立死(居室内死亡)を無くすことは、とても不可能に近いです。

私自身の所感でいうと、ご自宅で亡くなることは望ましいのかとも感じます。

長年住み慣れたご自宅で最期を迎えることは、とても望ましいと思いますが、「発見を遅らせてはいけない。」に尽きます。

地域との関わりが希薄であっても、自分自身の存在(ここにいる!!)は外部に示すことができます。

例えば、毎日決まった時間に、

  • ベランダに出る。
  • 買い物に行く

近隣の方と話をしなくても、何か日常の決まり事を続けるだけで、周りの方は違和感を持ってくれます。

そして、2日・3日となれば、その違和感を行動に変えてくれるはずです。

現に、レリックが対応させていただいた、遺品整理・特殊清掃のご相談の中に、近隣の方が違和感を覚え、呼び鈴を鳴らしても反応がないことに危機感を感じ、通報・発見されたケースがあります。

早期発見が、ご遺族様にとっても救いになります。

このブログを見られた方の中には、「家族がみてやれよ!」「連絡とってないからだ!」と思われる方もいるかと思いますが、それぞれ事情があって近くに住めれない環境があることも事実です。

その上で、隣近所に住まわれている方が、少し気にかけてくれるだけで状況は変わります。

1日から2日、最低でも3日以内に発見することで、ご遺族様も故人様とのお別れをしっかりと行えます。

しかし、日数が経過し腐敗が進むにつれ、最期のお別れもできず、且つ特殊清掃を必要とするような状況となってしまえば、近隣の方も耐え難い期間が生まれます。

発生してからでは遅いです。

日々の気持ち一つで状況は変わってくると信じています。

是非、離れて暮らされているご家族がいる方は連絡を取り合い、近隣に一人暮らしの方がいる方は、少し気にかけてもらえたらと思います。

執筆者:株式会社レリック 代表取締役 神野 敏幸
    一般社団法人 家財整理相談窓口 理事
    一般社団法人 相続ファシリテーター協会  西日本統括長